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学生による成果物

2020年度の成果物 オンライン取材記事

時代の変化を成長に
-サステイナブルな経営の背景に迫る-

富士ゼロックス京都 富士ゼロックス京都

昭和54年創業開始。富士ゼロックス商品のフルカラーデジタル複合機や文書管理ソフト等の販売を中心としており、人々のコミュニケーションをつなぐ商品やサービスの提供により長くお客様に愛され続けている。「地域密着した営業」を特徴にしており、現在はさらに活動の幅を広げ、現在は京都の古くからの文化の一つである「古文書」の複製にも注力している。さらに社会課題解決を目標としたSDGs(※1)をもとに教育面や環境面などにおいて大きく社会貢献活動にも取り組んでいる。また、来春からは「富士フィルムビジネスイノベーションジャパン」に社名変更し、新たな一歩を踏み出そうとしている。

→ 富士ゼロックス京都ホームページ

Sustainable Development Goal
※1 SDGs:「Sustainable Development Goal(持続可能な開発目標)」の略称。17のゴール、169のターゲットにより構成され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を示している。

今回の取材のテーマは「サステイナブルな経営~富士ゼロックス京都の魅力とは~」
マーケティングサポート部 部長 大橋一郎氏(写真右)、マネージャー 三宅広之氏(写真左)、に富士ゼロックス京都の独自の魅力や長い将来を見据えた企業のビジョンについてたくさん語っていただきました。(以下敬称略)

オンライン取材時の様子
(オンライン取材時の様子)

地域に密着した営業が生み出す「教育×社会貢献」の活動

御社富士ゼロックス京都さんの魅力、独自の特徴は何ですか?

三宅:富士ゼロックス京都は富士ゼロックスの商品やサービスを中心に京都と滋賀の地域経済に根差した営業が特徴で地域の販売会社として活動しています。

それから独自な活動として、古文書の複製を行っています。やはり京都には古い歴史があって、現在博物館、お寺、神社など、古くからの文書というものがいろんなところにたくさんあります。そういったものを、なかなか見る機会がなく、埋もれていたんですよね。実際に表に出して見てもらうことができないですが、弊社のコピー技術を使った、複製品であれば実際に手に取ってみてもらうことができるようになります。

いろいろなところにある古文書を複製する取り組みを社会貢献の一環としてボランティア的にご提供させていただく活動を行っています。
クラウド文化財ホームページ https://bunkacsv.myportfolio.com/

では今はそういった社会貢献を始めとした活動に注力されているのですね。

三宅:そうですね、新型コロナの影響(在宅勤務、オンライン営業/授業/採用、セキュリティ対策など)があり、いろいろ変わってきていますのでそういったことに注力しながら活動しています。それに伴って技術を革新しています。いかにお客様の役に立てるかが営業の大きな柱ですし、環境の変化に対応することに注力しています。

古文書の複製もさらに活動の幅を広げていこうということで、お客様の要望だけでなく、販売を通して教育、文化継承に役立つ活動に注力しています。

変化をプラスに「富士フイルム ビジネスイノベーション」として新たな一歩を

コロナ禍において少なからず影響を受けていらっしゃると思いますが、御社は今どのような課題を抱えていらっしゃいますか。

三宅:やはりコロナの影響が一番大きいです。我々の事業のお客様に、大学関係の方がすごく多いんです。コピー機やプリンターの事業を行なっているので、コピーやプリント出力で売り上げが上がるのですが、コロナの影響で学生の方々が学校に行かれないので、これらの売り上げがすごく減少しました。

また、このような変化を受けて、働き方も変化していかなければならなくなりました。コロナによる環境の変化を受けて、リモートワークに必要な機材があり、その新しい環境に必要な機材を整えるなど、お客様の要望に沿っていこうと考えています。このような変化に対し、どのように対応していくかが一つの課題として抱えています。
そしてもう一つ、TVのCMで流しているんですけど、富士ゼロックスの社名が来年四月一日から「富士フイルム ビジネスイノベーション」に変わります。ゼロックスブランドで行なっていた事業が今後は新しい社名での展開になります。まだ馴染みのない方がたくさんおられると思うので、どのように学生の皆さんに認知していただくかを考えています。

「よりよいコミュニケーション」から生まれる歴史

御社が持っておられるビジョンの背景はどのようなものなのですか?

三宅:もともとゼロックスが誕生したときに、創業者のJ.C.ウィルソンがゼロックスフィロソフィーとして言われた考えがあります。「我々のビジネスの目標はより良いコミュニケーションを通じて、人間社会のより良い理解をもたらすことである。」

我々の原点としては、上記のように「より良いコミュニケーション」ということが原点にあり、そこを起点にいろいろな考えが生まれています。

その一つとして、コピー機が挙げられます。人が人に何かを伝えたいときは言葉で伝えるのが共通です。しかし、それに加えてコピーで複写をして、紙を渡し、相手に伝えることでさらにコミュニケーションの質が上がるんです。このように、誰かが人に何かを伝えたいときに、間でつないでくれるものとしてコピー機が生まれました。提供するものはこれからもどんどん変化していきますけれど、このようなより良いコミュニケーションにつなげていくというところは我々の原点として持っています。

時代に合わせた「より良いコミュニケーション」をモットーに商品を開発していらっしゃるということですね。

三宅:時代によってニーズは変わっていきますからね。大切に残していく部分と、変えていく部分がそれぞれありますね。

「紙×テクノロジー」でペーパーレスに打ち克つ

将来的にペーパーレス化が進んでいくと思います。その変化に伴ってプリンターの需要も減っていくと思いますが、その点に関して御社はどのような対応を考えているのですか?

三宅:いくつかありますが、まず挙げられるのは電子化の取り組みです。世の中のペーパーレス化が進んでいるので、FAXを紙に出力するのではなく、クラウドに格納し会社外からでも電子の状態での資料の閲覧ができるようになりました。

しかし、日本にはハンコの文化が従来からあり、これに関しては今現在でもなかなか変わりません。今、コロナの影響で在宅勤務の方がとても増えましたが、契約書にはハンコを押さなくてはなりません。そこで、電子サインの取り組みを始めました。

そして、我々が紙の情報をデジタル化していくにあたって、過去からの技術を駆使し、手書きで書かれている文章などを電子化していく「AI-OCR」という技術があります。

このように、紙文化で育ってきたところを更に変換、融合させながら技術開発に取り組んでいます。

今学生に求めることとは

では最後に私たち今の学生にどういう姿を求めていらっしゃいますか?

大橋・三宅:今回のコロナだとか、世の中環境変化っていうのはもうこれからどんどん起こっていくものだと思います。今までのやり方というものが通用しなくなってくると思うんですね。どんどん新しいその変化に我々も対応しなくてはいけないです。
求める学生像で言いますと、自ら行動を起こせる人ですね。その中でも、お互いの信頼関係を大切にしながら、常に環境変化に対して問題意識を持って、柔軟に対応していていく、課題を改善できる人、ですね。それから、主体的に学ぶ意識をもって学び続ける人、成長し続ける意思、姿勢も持った人。その上でスキルとしては問題解決能力、さらにコミュニケーション能力を持っている人が必要になってくると思います。

御社は時代変化に対応した取り組みを進めているからこそ、学生にも環境変化に対応し、成長できる人材を求めていらっしゃるんですね。本日はお忙しい中、貴重な話をしてくださりありがとうございました。

取材を終えて

今回の取材を通して、富士ゼロックス京都さんがコロナやペーパーレスといった様々な変化の中での対応があることを聞いて、将来性がすごくある企業様だと率直に思いました。また、時代や環境の変化をマイナスと捉えず、自分たちの成長につなげるプラスなこととして考えていらっしゃるところに富士ゼロックス京都様の魅力を感じました。

今回のインタビューでは、貴社の「よりよいコミュニケーションを作る」ということを原点にコピー機をはじめとする商品やサービスを提供してきたことを知りました。しかし、時代変化によって紙の消費が減ってきているためニーズの変化に合わせてデジタル化を進めているということで、デジタル化とコミュニケーションの構築の壁をどのように乗り越えていくのか今後の活動を楽しみにしております。

記事作成者:神崎 未羽、川邉 千鶴